ここでは、福祉系の仕事を検討中の学生の方に向けて、東京都同胞援護会が運営する児童養護施設「双葉園」の仕事内容やシフト、職場の雰囲気などを紹介しています。WEB上で疑似職場見学をしつつ、実際の職場見学に行く際に気を付けるポイントなども解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
双葉園ってどんな施設?

JR青梅線・東中神駅に程近い児童養護施設
昭島市にある双葉園は、周辺に広大な国営昭和記念公園が広がる、緑豊かな環境が魅力です。駅周辺は落ち着いた住宅街で、学校などの教育施設も多く、子どもたちが安心して過ごせる穏やかな空気が流れています。地域との交流も大切にしており、豊かな自然と温かな人間関係の中で、子どもたちの自立と未来を育んでいます。
- 開設…昭和8年10月1日
- 利用定員…50名(本園28名・グループホーム22名)
- 所在地…東京都昭島市中神町1260
- TEL…042-542-1841
- HP…https://doen.jp/introduction/child/futaba
職員さんに聞く双葉園の魅力
お話を聞いた職員さん…園長 川畑さん
一般企業に就職後、昔から抱いていた「子どもたちと関わる仕事がしたい」という思いから、福祉の世界へ転身。母子生活支援施設・保育園・児童センター・法人事務局、そして現在は児童養護施設「双葉園」の園長と、東京都同胞援護会の児童・女性支援グループを中心に約20年のキャリアを積んでこられました。
「子どもたちの声をまず聞く。それから一緒に考える」ことを職員に伝え続けながら、新卒職員が安心してスタートできる体制づくりにも力を注いできました。川畑さんへのインタビューを通じて、双葉園での仕事内容、職場の雰囲気、子どもたちへの向き合い方、そして職場見学当日のリアルな流れを紹介します。
仕事内容
まず取り組むのは「児童理解」
入職してすぐに取り組んでいただくのは、まず「児童理解」です。どういう経緯でここに入所することになったのか、どんな様子の子なのか、どんなことが好きで、今どんな状態にあるのか、一人ひとりの子どもを知ることが、すべての仕事の出発点になります。
日々の流れとしては、午後から出勤して引き継ぎを受け、幼稚園や学校から帰ってくる子どもたちを迎えるところからはじまります。夕方の時間を一緒に過ごしながら、夕食・宿題・入浴・就寝のサポートをして、朝は6時の起床から朝食まで見守ります。子どもたちといる時間を長く取ることが、まず最初の仕事です。
2年目・3年目になってくると、学校や関係機関との連絡調整、個別支援計画への関わりなど、業務の幅が広がっていきます。ただ、最初はルーティンを覚えながら、子どもたちと過ごす時間をしっかり積み重ねていくことが大切です。
先生でも保護者でもないけど「信頼される大人」になるための接し方
学校は「教育」の場ですが、双葉園は「福祉」の現場です。同じ年代の子どもたちと関わる仕事でも、立ち位置はまったく異なります。宿題のわからないところをサポートするような学習支援は行いますが、私たちは先生ではありません。かといって、親でもない。
ここは子どもたちが生活する場なので、日常の会話や一緒に遊ぶ時間の中で、「この職員さんはどんな人だろう」と子どもたちが感じ取っていくプロセスをとても大切にしています。最初のうちは、やんちゃな子から少し試されるような場面もあるかもしれません。でも、それは「この人を信頼していいか」を確認している行動でもあります。時間をかけて関係性を築いていくのが、この仕事の基本です。

シフトと残業・休暇
24時間体制で子どもたちの生活をサポートする
シフトは早番・日勤・宿直を組み合わせたローテーションが基本です。学校行事や子どもの通院といった個別のスケジュールに合わせてシフトを組むため、ある程度先の予定をもとに調整していきます。運動会などの学校行事が決まっていれば、できるだけ職員が立ち会えるよう考慮しています。
中でも宿直は、新人職員にとって最も不安を感じやすいシフトだと思います。「夜間に何かあったらどうしよう」という気持ちは、誰でも最初は持つものです。そのため双葉園では、入職からおおむね3か月間は、宿直に入っている新人職員のユニットに管理職から電話で確認を行っています。「今日の子どもたちの様子はどうですか?」と声をかけるだけでも、担当している職員が少し安心できる。そういう積み重ねを大切にしています。
また、本園は各フロアに1名ずつ計3名が宿直しているため、職員同士が近い距離でフォローし合える体制になっています。経験年数の浅い職員同士が同じ宿直日が重ならないよう、シフトの組み方でも配慮しています。
- 朝番…6時~15時
- 昼勤…13時~22時
- 日勤…9時~18時
- 宿直…13時~翌15時
出勤、予定や記録の確認、引き継ぎ、事務処理
帰園した子どもの学習支援、学校準備、おやつの準備、子どもと遊ぶ
入浴介助、学習支援、夕食準備
夕食、食後の片づけ、入浴介助、洗濯物干し
小学生の就寝介助、事務処理、環境整備
中高生の就寝介助、事務処理、環境整備、見回り
朝食準備、小学生に起床の声かけ
朝食、食後の片づけ、中高生に起床の声かけ、小学生の見送り
掃除、片づけ、洗濯物たたみ、アイロンがけ、事務処理、引き継ぎ
退勤
女性が多い職場だからこそ、産休・育休の体制は特に意識して整えている
有給休暇は入職初年度から取得でき、希望休はシフト表に前もって記入する形で申請できます。「オンとオフをきちんと切り替えてほしい」という方針のもと、全員がきちんと休めるようユニット内で調整しています。
また、双葉園の職員は20代・30代が中心で、女性職員の比率が高い職場です。だからこそ、産休・育休の体制は特に意識して整えています。育休を取得して復帰した職員も複数名おり、男性職員の育休取得実績もあります。復帰後も、勤務に配慮が必要な職員に対しては、園全体でフォローしていこうという共通認識があり、それを見た他の職員がライフステージが変わっても長く働き続けられる環境だと思ってくれることで、結果的に長く活躍してくれる人材を増やせていると感じます。
職場の雰囲気・新人職員の教育環境
ユニット内の連携で、新人が活躍できる環境づくりを行う
双葉園では、子どもの年齢や性別にあわせてユニットを分けており、それぞれ5~6名体制で動いています。職員は比較的若いメンバーが多いのですが、新人をしっかり育てようという姿勢はどのユニットにも共通しています。
特に心強いのは、入職年次が近い先輩が積極的に声をかけてくれる文化があることです。緊張して自分からなかなか発信できない方でも、2年目・3年目の先輩が気にかけて声をかけてくれます。「誰に聞いても大丈夫」という安心感は、どのユニットにも共通してあります。相談や引き継ぎなどユニット内でのコミュニケーションが大切な仕事でもあるので、自然と連携力も身についていきます。
相談を繰り返し、子どもたちへの向き合い方を身に着ける
新人職員の教育で最も欠かせないのは、子どもたちとの向き合い方を伝えることです。まず、職員は子どもたちの意見をきちんと尊重することを基本に置いています。何かあったときは、まず話を聞く。どういうことだったのかを把握して、どうしようかを一緒に考える。そういう対話を繰り返すことが、日々のコミュニケーションの基本です。
そのためにも、子どもたちが話しやすい雰囲気を、それぞれの職員がそれぞれのやり方で作っています。新人の方も、先輩社員と相談しながら試行錯誤をして、徐々に自分なりのアプローチを作っていきます。最初は新人職員のことを様子見する子もいますが、関係性ができてくると、表情も変わってくるはずです。それを実感できたときに、きっとこの仕事のやりがいを強く感じられるはずです。

双葉園へ職場見学に行くとできること
職場見学でぜひ見て欲しいポイント
長い歴史の重みと、新しい施設の両方を見て欲しい
双葉園は昭和8年(1933年)に開設した、長い歴史を持つ施設です。初代園長・高島巌が残した書など、その歴史を感じる資料も施設内に残っており、見学の際にご紹介しています。長い歴史の中で積み上げてきた支援のあり方が、今の双葉園の土台になっています。
もちろん施設はどんどん新しくなっており、一軒家のような環境で子どもたちが生活するグループホームも新しく作りました。本園とは異なる雰囲気の場所なので、見学時には、こうした新しい施設についてもご案内しています。

学生必見!職場見学に行く際のQ&A
双葉園の職場見学は、東京都同胞援護会の専用フォームに必要情報を記入して申し込んでください。また、法人内には保育支援施設など他の福祉施設もあるので、他の施設も気になる方は複数申し込んでいただいても問題ありません!
まずは施設の概要を説明した後、館内をご案内します。フロアを見て回ったあと、最後に質疑応答の時間をとっています。全体の所要時間はおおよそ1時間程度です。見学の時間帯によっては、子どもたちがまだ学校から帰ってきていないこともあります。直接子どもたちと話す機会を設けることはなかなか難しいと思いますが、施設の空気感や設備の様子は十分にご覧いただけると思います。
見学を考えているあなたへのメッセージ
見学に来る前に、児童養護施設がどういう場所でどんな役割を担っているかを、ある程度学んできてもらえると嬉しいです。児童養護施設は、児童福祉施設の中でも比較的知られている施設なので、概要はつかんでいただけると思います。
その上で実際に施設を見てもらって、「なぜこうなっているんだろう?」と感じた疑問を、そのまま聞いてください。事前に学んだことと目の前の現場がどう重なるかを確かめながら見学してもらうのが、一番学びになると思っています。
東京都内に特化した福祉法人

東京都同胞援護会は、東京都内で高齢者支援、障がい者支援、保育支援、児童・女性支援の施設を運営する社会福祉法人です。全学部・全学科対象に新卒採用を行っており、法人内研修による資格取得支援、興味がある別事業への異動など、入職後のキャリアチェンジの選択肢も豊富なため、「まだ進路を固めきれていない」という学生の方にもおすすめです。また法人内外に相談窓口を設置するなど、福祉の仕事が未経験の方でも働きやすい環境づくりがされています。
